foodpanda(フードパンダ)|約1年4カ月で日本撤退
日本参入:2020年9月17日
サービス終了:2022年1月31日
ピンク色の配達バッグやユニフォームで知られていた「foodpanda」。
ドイツのDelivery Hero傘下のフードデリバリーサービスで、日本には2020年9月17日に進出しました。
最初にサービスを開始したのは、次の3都市です。
その後、札幌・福岡・広島などにもエリアを広げ、短期間で全国へサービスを拡大していきました。
しかし、2021年12月に親会社Delivery Heroが日本事業の売却方針を発表。最終的に買い手との取引成立には至らず、2022年1月31日をもって日本でのサービスを終了しました。
なぜfoodpandaは日本から撤退した?
大きかったと考えられるのが、日本のフードデリバリー市場における競争の激しさです。
当時の日本にはすでに、次のような多数のサービスが存在していました。
- Uber Eats
- 出前館
- menu
- Wolt
- DiDi Food
Delivery Hero自身も、日本事業について他の成長分野へ経営資源を集中する方針を示しています。
foodpandaは日本進出からわずか約1年4カ月で撤退することになりました。
DiDi Food(ディディフード)|大阪から始まり約2年で撤退
日本参入:2020年
サービス終了:2022年5月25日
中国発の配車サービス「DiDi」のグループが展開していたフードデリバリーが「DiDi Food」です。
日本では2020年に大阪からサービスを開始。その後、次のようなエリアへ広げていきました。
- 大阪
- 兵庫
- 京都
- 奈良
- 愛知
- 福岡
- 広島
- 宮城
- 沖縄
しかし2022年4月、DiDi Food Japanは日本でのフードデリバリー事業終了を発表。2022年5月25日をもって日本市場から撤退しました。
DiDi Foodが撤退した理由
DiDi側は、「日本市場の変化に際し、今後の事業継続を検討した結果」としてサービス終了を説明しています。
つまり単純に「利用者がいなかった」という話ではなく、市場環境や今後必要となる投資額などを総合的に判断した結果と考えた方がよいでしょう。
なお、終了したのは「DiDi Food」です。タクシー配車サービスの「DiDi」は別事業のため、日本でサービスを継続しています。
Chompy(チョンピー)|国内スタートアップも撤退
サービス開始:2020年
サービス終了:2023年5月15日
Chompyは、日本のスタートアップが展開していたフードデリバリーサービスです。
2020年2月からオープンβ版を開始し、同年8月に正式ローンチ。渋谷を中心にサービスを展開していました。
大手チェーンだけでなく地域の個性的な飲食店を重視するなど、Uber Eatsなどとは違った方向性でサービスを展開していたのが特徴です。
しかし2023年5月15日をもって、フードデリバリー事業を終了しました。
Chompyが終了した理由
Chompyは公式発表で、フードデリバリー市場におけるプラットフォーマー各社の競争激化や市場の成長性などを考慮した結果、別事業へ経営資源を集中すると説明しています。
会社そのものがなくなったわけではありません。2021年から展開していた飲食店向けのモバイルオーダー事業へ経営資源を集中するため、消費者向けフードデリバリーから撤退した形です。
Wolt(ウォルト)|約6年間日本で展開するも2026年撤退
日本参入:2020年3月26日
サービス終了:2026年3月4日
青いバッグでおなじみだったWolt。
フィンランド発のデリバリーサービスで、日本では2020年3月26日に広島市からサービスを開始しました。
東京ではなく広島から日本展開を始めたことも、当時話題になりました。
その後、次のような都市へ展開しています。
2025年3月時点では、日本国内24都道府県・44エリアまでサービスを拡大していました。
しかし2026年2月25日、Woltは日本市場からの撤退を発表。2026年3月4日をもって、日本でのサービスを終了しました。
Woltはなぜ日本から撤退した?
Woltは撤退理由について、「持続的な規模拡大と長期的な優位性を実現できると判断した地域に投資を集中する」という方針を示しています。
Woltは2022年から米国のDoorDashグループとなっており、日本だけを見るのではなく、世界各国の事業ポートフォリオの中で投資先を判断している企業です。
つまり、
「日本のフードデリバリー需要がなくなったから撤退」
というよりも、
「日本で追加投資を続けるより、他国へ投資した方が成長性や収益性を期待できる」
と判断されたと見る方が実態に近いでしょう。
約6年間日本で展開してきたWoltの撤退は、フードデリバリー業界にとってかなり大きな出来事となりました。
→【関連記事】Woltに続きmenuも撤退。日本のフードデリバリー業界で何が起きているのか?
デリバリー開始:2020年
サービス終了:2026年9月30日予定
国産フードデリバリーとして長くサービスを続けてきたのが「menu」です。
2019年にテイクアウトサービスとしてスタートし、2020年にはフードデリバリーへ参入。
KDDIとの連携後は、au、Ponta、PontaパスなどKDDI経済圏との連携も強化されていました。
しかしKDDIは2026年8月19日、menuのサービスを2026年9月30日で終了すると発表しました。
サービス終了後は運営会社であるmenu株式会社についても解散・清算する予定です。
menuが終了する理由
KDDIは、次の点を総合的に検討した結果、サービス終了を決めたと説明しています。
- フードデリバリー市場を取り巻く競争環境の変化
- 今後の事業見通し
- 経営資源の最適配分
2026年3月にはWoltが撤退したばかり。その約半年後にmenuまで終了することになり、日本のフードデリバリー市場はさらに大きな転換期を迎えることになりました。
→【関連記事】menuはなぜ撤退したのか?市場規模8,240億円でも生き残れなかった理由を徹底分析
dデリバリー|ドコモが約7年間運営
サービス開始:2014年5月1日
サービス終了:2021年6月30日
NTTドコモが提供していた宅配・出前注文サービスが「dデリバリー」です。
2014年5月1日にサービスを開始。開始当初から約9,500店舗の商品を注文できるなど、現在のフードデリバリーアプリが普及する以前から存在していたサービスでした。
しかし2021年6月30日にサービスを終了。
ドコモは、「現在の事業環境に鑑み、経営資源を集中すべくサービスを終了」と説明しています。
Uber Eatsのように配達パートナーを大規模に抱えるサービスとは仕組みが異なりますが、日本のネット宅配・出前サービスの歴史を語るうえでは欠かせない存在です。
楽天ぐるなびデリバリー|約20年続いた楽天デリバリーの系譜
楽天デリバリー開始:2002年2月
サービス終了:2022年7月24日
実はかなり歴史が長いのが「楽天デリバリー」です。
サービス開始はなんと2002年。Uber Eatsが日本へ来るより10年以上前から、インターネットで宅配可能な店舗を検索・注文できるサービスを提供していました。
2021年には楽天からぐるなびへ事業が承継され、「楽天ぐるなびデリバリー」へ名称変更。しかし翌2022年7月24日にサービスを終了しました。
20年以上続いたサービスが終了したという意味では、日本のデリバリー業界における一つの時代の終わりともいえるでしょう。
FOODNEKO(フードネコ)|わずか約4カ月でブランド終了
サービス開始:2020年12月8日
サービス終了:2021年4月27日
「ネコライダー」という名前を覚えている配達員もいるのではないでしょうか。
FOODNEKOは2020年12月、東京都内でサービスを開始したフードデリバリーサービスです。
次の「3つのナシ」を掲げていました。
しかしサービス開始からわずか数カ月後、foodpandaとの統合が決定。2021年4月27日にFOODNEKOブランドとしてのサービスを終了しました。
ただし、これは一般的な意味での「事業撤退」とは少し異なります。運営会社を取り巻くグループ再編に伴ってfoodpandaへサービスを統合したもので、FOODNEKO利用者などもfoodpandaへ移行する形となりました。
ところが、そのfoodpanda自身も翌2022年1月に日本から撤退しています。
LINEデリマ|サービス終了というより出前館へ統合
サービス開始:2017年7月26日
出前館へ統合:2020年
LINEアプリから料理を注文できるサービスとして2017年にスタートしたのが「LINEデリマ」です。
開始当初から全国約14,000店舗に対応していました。
その後LINEグループと出前館の資本・業務関係が深まり、LINEデリマは出前館へ統合。2020年には公式に、「LINEデリマは出前館へ生まれ変わります」と案内されました。
そのためLINEデリマについても、業績悪化などによる「撤退」というより、サービス統合によるブランド終了として捉えるのが正確です。
なぜ日本ではフードデリバリーの撤退が相次いだのか?
ここまでを見ると、「フードデリバリーって実は儲からないのでは?」と思うかもしれません。
しかし、話はそれほど単純ではありません。
経済産業省の調査では、日本のフードデリバリー市場規模は2020年の3,487億円から2021年には4,794億円へ拡大。わずか1年間で約37%成長しています。
それにもかかわらず、多くのサービスが撤退しました。ここがフードデリバリー業界の面白いところです。
1. 配達員・加盟店・利用者を同時に集めなければならない
フードデリバリーは、アプリを作れば成立するビジネスではありません。
- 利用者がいても加盟店が少なければ注文されません
- 加盟店が多くても配達員がいなければ料理を届けられません
- 配達員を増やしても注文が少なければ、配達員が稼げず離れてしまいます
つまり、「利用者」「加盟店」「配達員」この3者を同じエリアに十分な数だけ集めなければサービスが成立しません。
そのため新規参入企業は大量の広告費やクーポン、配達員向けキャンペーンなどを投入する必要があります。
2. Uber Eatsなど先行サービスのネットワークが強い
フードデリバリーでは、規模が大きくなるほど有利になる「ネットワーク効果」があります。
- 注文者が多い
- 加盟店が増える
- 注文がさらに増える
- 配達員が集まる
- 短時間で配送できる
- さらに利用者が増える
という循環です。
逆に後発サービスは、この循環をゼロから作らなければなりません。そのため「Uber Eatsより少し安い」「配達料無料」といった条件だけでは、長期的に利用者を移動させるのが難しいのです。
3. 値引きや配達員キャンペーンには莫大な費用がかかる
2020~2022年ごろにフードデリバリー配達員をしていた人なら、次のようなキャンペーンを覚えている人も多いでしょう。
新規サービスが市場へ参入するには、次のような多額の先行投資が必要になります。
- 注文者向けクーポン
- 加盟店獲得費用
- 広告費
- 配達員向けインセンティブ
- 配達料金補助
利用者が増えても、その利用者を獲得するために莫大な費用がかかっていれば利益にはなりません。
4. コロナ特需後に競争環境が変化した
2020年以降は外出自粛や飲食店の営業時間短縮などによって、フードデリバリー需要が一気に拡大しました。
このタイミングで、foodpanda、Wolt、DiDi Food、Chompy、FOODNEKO、menuなど多くのサービスが一斉に拡大しています。
しかし外食需要が戻るにつれて、コロナ禍当時ほどの急成長を前提とした競争は難しくなりました。
各社が「日本で投資を続けてシェアを取るのか」、それとも「別の国や別事業に経営資源を投入するのか」を判断した結果、撤退やサービス統合が進んだと考えられます。
2026年、日本のフードデリバリーは再び大きな転換期へ
日本のフードデリバリー業界には、大きく分けて2回の「淘汰の波」があったと見ることができます。
最初は2021~2023年
次のサービスなどが次々と終了しました。
- dデリバリー
- foodpanda
- DiDi Food
- 楽天ぐるなびデリバリー
- Chompy
そして第2の波が2026年です
2026年3月にはWoltが日本から撤退。さらにmenuも2026年9月30日で終了することが決まりました。
一方で、新たに日本市場へ参入してくるサービスもあります。
つまり、「フードデリバリーそのものが終わっている」というより、「サービス間の淘汰と入れ替わりが続いている」と考える方が実態に近いでしょう。
配達員にとっても、これは非常に重要です。一つのアプリだけで稼働している場合、そのサービスの報酬体系変更やエリア縮小、最悪の場合は撤退によって収入が大きく変わる可能性があります。
過去のfoodpanda、DiDi Food、Woltのように、全国規模までサービスを拡大した企業でも日本から撤退する可能性はあります。「大手だから絶対に残る」とは限らないのが、フードデリバリー業界です。
→【関連記事】menu撤退で配達員はどうなる?Uber Eats・出前館・Rocket Nowへの影響を徹底分析
現在も日本で利用できる主なフードデリバリーは?
2026年9月現在、日本のフードデリバリー市場では、次のサービスなどが主要サービスとして展開されています。
- Uber Eats
- 出前館
- Rocket Now(ロケットナウ)
特にWoltの撤退、menuの終了によって、今後は各社のシェアや配達員の移動にも変化が起こる可能性があります。
配達員であれば、「どのサービスが一番稼げるか」だけでなく、次のような視点も重要になってくるでしょう。
- 自分の地域でどのサービスの注文が伸びているか
- 一つのサービスに依存しすぎていないか
→【関連記事】Uber Eats・出前館・Rocket Now、最後に生き残るのは?menu撤退後の勢力図を徹底分析
→【関連記事】menuの代わりはどれ?Uber Eats・出前館・Rocket Nowを比較
よくある質問
Q
foodpandaはなぜ日本から撤退した?
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foodpandaを運営していたDelivery Heroは、日本事業の売却と他の成長分野への経営資源集中を進めました。
日本ではUber Eats、出前館、menu、Wolt、DiDi Foodなど多数のサービスが競争しており、短期間で市場をリードする規模まで成長することが難しかったことも背景にあります。
最終的に2022年1月31日に日本でのサービスを終了しました。
Q
DiDi Foodは日本から完全撤退した?
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フードデリバリーサービス「DiDi Food」は2022年5月25日に終了しました。
ただしタクシー配車アプリ「DiDi」は別事業のため、日本でもサービスを継続しています。
Q
Woltは日本から撤退した?
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はい。Woltは2026年3月4日をもって日本でのサービスを終了しました。
2020年3月26日に広島から日本展開を開始しており、約6年間で日本市場から撤退することになりました。
Q
menuはいつ終了する?
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menuは2026年9月30日をもってサービスを終了する予定です。2026年8月19日にKDDIから正式に発表されています。
→【詳しく見る】menuが2026年9月30日でサービス終了へ
Q
Uber Eatsも日本から撤退する可能性はある?
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将来の事業方針について断定することはできません。
ただし、これまでfoodpanda、DiDi Food、Woltなど世界的な企業のサービスも日本から撤退しています。そのため「海外大手だから撤退しない」と断言することはできません。
一方、サービス規模や加盟店・利用者・配達員のネットワークなどは各社で大きく異なるため、過去に撤退したサービスと単純比較することもできません。
まとめ|フードデリバリーは「撤退と参入」を繰り返している
日本ではこれまで、次のような多くのフードデリバリー関連サービスが終了しました。
- foodpanda
- DiDi Food
- Chompy
- Wolt
- dデリバリー
- 楽天ぐるなびデリバリー
FOODNEKOやLINEデリマのように、他サービスへ統合される形で姿を消したサービスもあります。そして2026年9月30日にはmenuもサービス終了を予定しています。
こうして並べてみると、日本のフードデリバリー業界が短期間で大きく変化してきたことが分かります。
しかし、「撤退企業が多い=フードデリバリー市場そのものがなくなる」というわけではありません。
むしろ重要なのは、次のような動きが繰り返されていることです。
- 多くの企業が参入
- 激しいシェア争い
- 採算性や将来性によって撤退・統合
- 少数のサービスへ集約
- 新しいサービスが再び参入
配達員にとっても、どのサービスが伸び、どのサービスが縮小しているのかを知ることは、自分の収入を守るうえで重要な情報になります。
フードデリバリー業界は、まだ変化の途中です。数年前には当たり前のように街中で見かけたピンク色のfoodpandaバッグや青色のWoltバッグが姿を消したように、数年後には現在の勢力図も大きく変わっているかもしれません。
→【関連記事】Woltに続きmenuも撤退。日本のフードデリバリー業界で何が起きているのか?
→【関連記事】menuはなぜ撤退したのか?市場規模8,240億円でも生き残れなかった理由を徹底分析
→【関連記事】Uber Eats・出前館・Rocket Now、最後に生き残るのは?menu撤退後の勢力図を徹底分析
→【関連記事】menuが2026年9月30日でサービス終了へ|撤退理由・配達員・利用者への影響を徹底解説
参考情報・出典
本記事は2026年9月1日時点で公開されている情報をもとに作成しています。
主な参照情報:
- Delivery Hero/foodpanda日本事業終了関連発表・報道
- DiDi Food Japan「日本におけるフードデリバリー事業終了」関連発表
- Chompyフードデリバリー事業終了関連発表
- Wolt「Woltの日本におけるサービスの終了について」
- KDDI「フードデリバリーサービス『menu』の提供終了およびmenu株式会社の解散・清算について」(2026年8月19日)
- NTTドコモ「dデリバリー」サービス終了関連発表
- 楽天/ぐるなび「楽天ぐるなびデリバリー」サービス終了関連発表
- FOODNEKO/foodpanda統合関連発表
- LINEデリマ/出前館統合関連案内
- 経済産業省「電子商取引に関する市場調査」フードデリバリー市場規模(2020年・2021年)
なお、各サービスの終了理由は公式発表の表現を中心に整理しています。市場競争や投資判断に関する解釈は、公開情報をもとにした本記事の整理です。