「平均日収は1万円なのに、普段は8,000円前後に感じる」。これは計算ミスとは限りません。特に高い売上の日があると、平均が押し上げられるためです。
平均を捨てるのではなく、平均・中央値・何日分かを並べると違いが見えます。自分の記録をGoogleスプレッドシートで確認する手順を、架空の数字で説明します。配達員全体の収入調査や、将来の収入予測ではありません。
7日の合計7万円でも、中央の日は8,000円
次は、同じ人がある期間に稼働した7日分という設定です。金額は経費を引く前の配達報酬で、加算報酬を含みます。E日だけ8時間稼働し、その日の24,000円には一時的な加算6,000円を含めています。地域・サービスの実績を表す数字ではありません。
下のタブ区切りの表をコピーし、空のGoogleスプレッドシートのA1へ貼り付けます。金額には「円」を入力せず、数値にしてください。
日 配達報酬(円) 稼働時間(時間) 補足
A日 8000 4 加算なし
B日 6000 4 加算なし
C日 9000 4 加算なし
D日 7500 4 加算なし
E日 24000 8 一時的な加算6000円を含む
F日 7000 4 加算なし
G日 8500 4 加算なし
報酬の合計は70,000円、平均は70,000÷7=10,000円です。一方、低い順に並べると6,000、7,000、7,500、8,000、8,500、9,000、24,000円。真ん中の4番目、8,000円が中央値になります。
平均は全金額を反映し、中央値は並べた順番の中央を示します。中央値は極端な値の影響を受けにくい指標ですが、いつも平均より正しいわけではありません。出典:総務省統計局「中心的な傾向を捉える」
3つの数式を、表の外に入れる
上の表では、報酬がB2からB8に入ります。集計式はその範囲に上書きせず、たとえばF2、F3、F4へ入力してください。
| 確認する値 |
入力式 |
結果 |
| 平均日収 |
=AVERAGE(B2:B8) |
10000 |
| 中央値 |
=MEDIAN(B2:B8) |
8000 |
| 集計日数 |
=COUNT(B2:B8) |
7 |
COUNTは、数値が入ったセルの個数です。配達件数でも、表の日付の数でもありません。7日分入力したのに6と出たら、金額の空欄、文字列、式の範囲を確認します。日数を増やす際は、3つの式すべての対象範囲をそろえて伸ばしてください。
各関数の仕様:Google公式ヘルプAVERAGE、MEDIAN、COUNT。中央値は偶数個のデータでは中央2つの平均になります。
0円だった稼働日を、空欄にしない
ここで計算しているのは「稼働した日あたりの報酬」です。待機したものの報酬が0円だった日は、数値の0を入れます。0は平均・中央値・集計日数に含まれますが、空欄は含まれません。0円の日を空欄に置き換えると、稼働日を抜いた集計になってしまいます。
完全に休んだ日は、この目的の集計には含めません。表に残す場合は金額欄を空欄にし、補足に「休み」と明記します。未入力の稼働日と休みは別物です。金額が未確認の日は「未確認」と補足し、確認してから期間全体の結果を出してください。文字の「0円」は関数で無視される場合があるため、数値の0を使います。
高額日は消さず、違った条件を確認する
E日の24,000円も実際に得たという設定の報酬なので、平均を普段の感覚に近づけるためだけに除きません。ただし8時間の稼働と一時加算があり、ほかの日と条件が違います。「中央値8,000円なら毎回その額を得られる」「平均1万円だから今後20日で20万円」とは判断できません。
今回の7日から分かるのは、この期間の金額と分布です。7日分の集計にも意味はありますが、別の月やエリアにもそのまま通用するとは限りません。前月と比べるときは、対象期間・集計日数・稼働時間・加算の有無を併記します。平均と中央値だけでは、働いた長さや経費の違いはそろいません。
昼と夜など、働いた時間帯の割合も変わっている場合は、稼働時間帯の構成をそろえて比較する考え方も確認してください。
まずは「平均10,000円、中央値8,000円、集計7日、経費控除前。一部に長時間稼働と一時加算あり」と残す。平均だけを見ていたときより、数字の意味を誤解しにくくなります。
情報確認日:2026年11月3日。表は説明用の架空データです。