「今週は時給が下がった。配達単価が悪くなったのかな?」。そう感じたとき、週の合計だけで原因を決めるのは少し待ってください。それぞれの時間帯では時間当たりの売上が上がっていても、働く時間帯の割合が変わると、週全体の時給は下がることがあります。
今回は、この逆転が起きる数字の例と、自分の記録で確認する方法を紹介します。ここでいう時給は「売上÷稼働時間」で求める振り返り用の時間単価で、保証された賃金ではありません。
以下の金額・稼働時間はすべて説明用の架空データです。特定の地域・サービス・時間帯の相場や、実際の配達実績ではありません。比較する2週間は同じ配達員・車両・エリアとし、売上はチップ・クエスト等の追加報酬を除く配達報酬、経費差引前で統一します。時間には依頼待ち・店舗待ち・業務上の移動を含み、私用休憩を除きます。
1.両方の時間帯で上がったのに、週全体では400円下がる
昼枠と夕方枠の2つだけで稼働したと仮定します。昼枠・夕方枠という呼び名は区分の例で、「昼は必ず高い」という意味ではありません。
先週:昼枠に8時間、夕方枠に2時間
| 区分 | 時間 | 売上 | 時給 |
|---|---|---|---|
| 昼枠 | 8時間 | 16,000円 | 2,000円 |
| 夕方枠 | 2時間 | 2,000円 | 1,000円 |
| 合計 | 10時間 | 18,000円 | 1,800円 |
今週:昼枠に2時間、夕方枠に8時間
| 区分 | 時間 | 売上 | 時給 |
|---|---|---|---|
| 昼枠 | 2時間 | 4,400円 | 2,200円 |
| 夕方枠 | 8時間 | 9,600円 | 1,200円 |
| 合計 | 10時間 | 14,000円 | 1,400円 |
昼枠は2,000円から2,200円、夕方枠は1,000円から1,200円へ。どちらも200円上がっています。それでも週全体は1,800円から1,400円へ下がりました。
理由は、比較的高かった昼枠の割合が80%から20%へ減り、夕方枠が20%から80%へ増えたからです。週全体の数字には、各枠の時給の変化と、何時間ずつ働いたかの変化が一緒に入っています。
1,400円は計算間違いではありません。今週実際に使った10時間に対する売上として正しい数字です。ただ、その数字だけを見て「すべての時間帯で条件が悪化した」と結論づけると、内訳を読み違えます。
2.時間の割合をそろえると、何が見える?
次に、今週の各枠の時給を使いながら、時間の配分だけ先週と同じ「昼8時間・夕方2時間」に固定して計算します。
(2,200円×8時間+1,200円×2時間)÷10時間=2,000円/時
先週の1,800円と比べると、同じ配分で計算した今週は2,000円です。時間配分をそろえて見ると、各枠の数字は改善していたことが分かります。
自分の表計算で試すなら、各枠について「今週の売上÷今週の稼働時間」を求め、それに先週の時間を掛けて合計し、最後に先週の合計時間で割ります。昼夜以外でも、平日・休日、エリアA・Bなど、記録のある区分で同じ考え方を使えます。
ただし、この2,000円は条件をそろえるための比較用の計算値です。今週本当に昼枠を8時間に増やしたら20,000円稼げた、という予測ではありません。注文状況や待機時間が同じままとは限らず、同じ枠を増やせるとも限らないためです。
3.比べる前に、表の条件をそろえる
- 時間帯の境目を固定する:先週だけ11〜14時、今週だけ11〜15時では別の区分です。境目をまたぐ配達をどちらに集計するかも決め、重複と抜けを防ぎます。
- 売上に含めるものを統一する:片方だけクエストやチップ込みにしないこと。複数枠にまたがる追加報酬を分ける根拠がないなら、枠別比較から外し、週全体の追加報酬として別に残します。
- 稼働ゼロと記録なしを区別する:今週働いていない枠の時給は計算できません。0円/時として埋めず、その枠を含む配分固定の比較は未計算にします。
- 時間と件数も残す:1回だけの短い稼働と、何日も繰り返した稼働では、数字の安定性が違います。何時間・何件の結果かを一緒に見ます。
掛け持ちで時間が重なる場合や、休憩の数え方があいまいな場合は、先にオンライン時間の重複を除く計算方法で元の数字をそろえてください。今回の記事は、その先の「比較する期間で時間の配分が変わったとき」の読み方です。




